競馬の新年だから、ブログでも始めようかと・・・

今年のダービーは、様々な意味で「エポックメーキング」なレースだった。

これまでの競馬テレビ中継では忌避することが鉄則だった倒れている競走馬の映像が一瞬だが流れ、しかもそれが2番人気のルメール騎乗馬だったこともあり、多くの視聴者に強烈なインパクトを与えた。

ほとんどの競馬ファンは考えたことさえなかったであろう競走馬の事故死という事象に、強烈なスポットライトが(おそらく初めて)当たった瞬間であり、その後のSNSには動物愛護の文脈で語る人が激増した。

さらにそういった(感傷的ともいえる)リアクションに反発する業界関係者も出現して、あえてダークサイドを見ないようにしてハッピーな競馬文化を堪能していた多くの競馬ファンに、ほんのひと時だが競走馬の馬生を考える機会が与えられた。

そしてSNSも沈静化していったころ、今度は超高齢馬の訃報が飛び込んできた。5月30日にナイスネイチャ生まれ故郷の渡辺牧場で35年の馬生を閉じたのだ。種牡馬引退後は特定非営利活動法人引退馬協会」のフォスターホースとして余生を過ごしていた同馬は存命のJRA重賞勝ち馬としては最高齢だった。

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ナイスネイチャには鳴尾記念をはじめ良い思い出が多かったので、フォスターホースになれたことはうれしいことだったが、競走成績や種牡馬成績は決して抜群とは言えず、稀代のブロンズコレクタとしての名声?が幸いしたものであろう。

サラブレッドは英国貴族の趣味で作り出され、一時は軍馬改良などのお題目もあったが、今日では全世界で10兆円を超える規模のビジネスの源泉となっている経済動物である。

1頭のサラブレッドの飼育には相当な費用が掛かることを考えれば、過酷な優勝劣敗の法則が支配する現状も認めざるを得ない。しかし、競馬のすべてのキャッシュフローの源泉である馬券購入者のわれわれ競馬ファンも、一時の感傷ではなく、構造的な問題について考えていくことが求められているのではないだろうか?

もし、その結果としてフォスターホースが1頭でも増えれば、それがスキルヴィングの供養にもなると思いたい。